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【お金の勉強】ギリシャの財務大臣から学ぶお金の成り立ち【教養として確実に人に自慢できます】

スタバでコーヒーを買ったり映画を見たりディナーを食べたり、何をするにも毎日必要になるお金。
子供のことはこのお札や硬貨に“価値”があると思って「お金はお金だよ」と思っていましたが、最近キャッシュレスや仮想通貨などが発展して実際にお札を出さなくても買い物ができるようになりましたよね。

そこで初めて「お金=それ自体に価値がある」という今までの認識が間違っていたことに気づきました。

実は、歴史を紐解いていくとなぜ製造コスト20円程度の1万円札にこれだけモノやサービスを買える価値があるのかという理由がわかるようになります。

今回は、ギリシャ危機の際に財務大臣を務めたヤニス・バルファキスの著書を参考に、「硬貨は交換手段として生まれたんだよ!」というよく聞く説明とは異なるアプローチから、お金の成り立ちや、お金とは何か、実は仮想通貨という概念はメソポタミア文明にもあったという話を一緒に学んでいきましょう。

本記事の内容

  • よく聞くお金の成り立ちの話
  • まずは価値を記録するために文字が生まれた
  • 実はお金の成り立ちは“物々交換”のためではなく“借金”のためだった
  • お金が出来たから世界は発展した
  • お金の成り立ちを勉強すると先進国がなぜ先進国になったのか見えてくる
  • よく聞くお金の成り立ちの話

    お金の起源と聞いてあなたは何を思い浮かべますか?

    長年自分もそうだと思っていたのですが、

    昔は物々交換が主流だったけど、物々交換だと保存が効かなかったり欲しいタイミングで交換できない

    そこで、希少価値の高いもの(金や銀など)をモノの代わりにして交換するようにすればいいんじゃないか


    ならいっそ金や銀を保証しますという紙(保証書)を交換手段として使おう!

    というのがお金が出来た背景だと思っていました。

    ちなみに一般的なお金の成り立ちについて初めて勉強するときはこのサイトがわかりやすいと思います。
    https://sakagami3.com/entry/2017/08/26/130932

    まず価値を記録するために文字が生まれた

    お金の成り立ちを勉強する前に、お金を記録するための文字がどうやって生まれたのかを知らなければなりません。

    人類初にして最大のイノベーションと聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?

    それは間違いなく「農耕」です。

    これまでは取った獲物や果物は腐る前に消費しなければならず、保存がききませんでした。
    そして生活は動物や果物を求めて旅をしながら暮らしており、食料が安定しませんでした。そこで生きていくために必要に迫られて開発されたのが、農耕です。

    この農耕の発展により毎毎年安定的に保存の効く食料をつくることができるようになりました。

    狩猟から生産にシフトすることで定住できるようになったことに加え、その日中に消費しきれんかった分は残しておくという余剰が生まれるようになりました。

    しかしこの余剰、せっかく貯めておいても誰のかわからなくなってしまったら大損です。
    そこで生み出されたのが記録であり、文字です。

    察しのいい方はここで気づいているかもしれませんが、必要に迫られたから農耕が発展し、余剰が生まれ、余剰を記録するために文字が生まれた。
    ということは、農耕が必要なかった木の実や魚が豊富だった土地では文字は必要なかったと言えます。

    実はお金の成り立ちは“物々交換”のためではなく“借金”のためだった

    一般的には物々交換のために貨幣が存在したと言われていますが、古文書によると労働者への支払い(給料)に対価を記録した貝殻が使用されていたという記録があるそうです。

    つまり、収穫したあとにその貝殻に対して給料(穀物)が支給されていたことになります。
    手元にないものを交換手段として相手から価値をもらうという現代で言うところの借金を記録するためにこの時代のお金である貝殻は使われていたと言えます。

    この貝殻はもちろん貨幣としても使えたそうです。

    貝殻なんていくらでもありますし、この貝殻を貨幣や借金の証明として使うには信用が必要です。
    この貝殻を持っていれば収穫後にどれぐらいの穀物がもらえるという信用がこの貝殻を貨幣として機能させていたのです。

    貝殻自体に価値があるのではなく貝殻に記載された記録に価値があると考えると、古代メソポタミアの時代から仮想通貨という概念があったことに気づき驚きますね。

    お金が出来たから世界は発展した

    価値を記録するお金が生まれたことにより、誰がどれだけお金を持っていて誰かはお金を全然持っていないということが客観的にわかるようになります。

    お金を持っている人はそのお金を使って人を雇ってさらに富を増やすというサイクルをたどり、こうして生まれたのが今も残る格差というものです。

    しかしお金がたくさんあるからといって油断していると、盗まれたり反乱を起こされたりする可能性があります。
    では、この格差が生まれたときお金をたくさん持っている人はどうするでしょうか。

    反乱を未然に防ぐには、この格差に疑問を持たれてはいけません。
    私がこれだけの富を持っているのは当然だと民衆に信じこませることが必要です。

    そうして宗教が生まれた

    昔の指導者が神のように扱われていたのは、自分を神だと思わせることで、富を持っていることを正当化し当然のことだと思わせることで、反乱を防ぎたかったのです。

    それでも反乱が怖いという人は軍隊などの武力を作ったり、もっとお金が欲しいという人はさらなるお金を生むためのテクノロジーに投資したりしました。

    こうして社会の規則が形作られテクノロジーが進化して世界は発展してきました。

    お金の成り立ちを勉強すると先進国がなぜ先進国になったのか見えてくる

    農耕により余剰が生まれ、余剰を記録するために文字が生まれて経済ができた。
    そして格差を守るために軍隊や国家・宗教・テクノロジーが発展していった。

    一方で、食料の豊富だったオーストラリアなどでは農耕の必要がなく、余剰が生まれないため文字も生まれません。代わりに音楽や絵など芸術的なものが発展していきました。

    この農耕の有無という差から文明の成長度合いに差が出ていきます。
    その結果、ヨーロッパ諸国は発展し武力で先住民を支配し植民地を作っていくことになるのです。

    こうして考えると、お金の歴史を勉強することでヨーロッパが発展した理由や、なぜ芸術に優れていた先住民たちが支配されてしまったのかがわかります。

    お金の勉強をすることが世界の成り立ちを勉強することに繋がるのは興味深いですね。

    普通に生きているとお金は当然身近にあるものであり、特別お金について考える機会はそうそうありません。考えるとしても節約とかだと思います。
    これをきっかけにもっとお金について勉強してみようと思っていただければ幸いです!

    豆知識
    なぜアフリカも植民地支配されてしまったのか
    世界地図をみていただくと、アフリカは南北に長く、ユーラシア大陸は東西に長くなっていることがわかります。

    アフリカでは農耕が発生したとしてもその技術を伝えるために南北に移動する必要があり、移動にともなって気候も変わるため伝達するのに多くの障害があります。

    たいしてユーラシア大陸では移動が容易であることから、どこかでテクノロジーが発展するとそれを伝えるのが容易であったと想像できます。

    まさしく情報格差が文明格差を作っていたとも言えますね。
    ネットの発達でこうした情報格差がなくなり機会が均等化されるといいですね。