子供が勉強をしない理由は、大きく分けて2つあります。
1つ目は「勉強が楽しくないから」、2つ目は「勉強する習慣がないから」です。
私たちも楽しくないことをわざわざ自分からしようとは思いませんよね。
ただ逆に言えば、勉強に興味を持ちさえすれば自分から勉強するようになると言えます。
ここでは、塾講師として6年間働き大学合格率80%以上を達成した経験から、お子さんに勉強の興味を持ってもらう方法と勉強を習慣化する方法をご紹介します。
あなたの子供が勉強しない2つの理由

勉強が楽しくない
「勉強が楽しくない」
これは誰しもが経験したことのある感情ではないでしょうか。
そして、お子さんにとっても例外ではありません。
嫌なことをやるときは、どうしても「やりたくない」と感じてしまいます。そこで、まずはどうやったら楽しくやれるかを考えてみて下さい。
あなたのお子さんはどんなときに楽しそうな顔をしますか?
子供の好きなゲームでもそうですが、やはり達成感があると人間楽しく感じるものです。
少し頑張らないと達成できないような目標を一緒に考えて、やり遂げることに達成感を感じてもらうことが、勉強に興味を持ってもらう1番の近道です。
【なんでうちの子は勉強しないのか?勉強を楽しめる子供と楽しめない子供の違い】
↑後日追記
勉強する習慣がない
そもそもの問題として、勉強をする機会がなければ勉強に興味を持つことはできません。
そして、勉強には実際にやることでわかる楽しさというものがあり、有名大学(旧帝大以上)に合格するような子達は、勉強を楽しんでいる子の方が圧倒的に多いです。
その子達が勉強を楽しめるのは、最初できなかったこと(解けなかった問題)が出来るようになる楽しさを知っているからです。
しかし、日常的に勉強する習慣がなければ、解けなかった問題は解けないままです。
「勉強がきらいでどうしようもない」という場合は、簡単な問題でもいいので毎日決まった時間に勉強をするように習慣づけしてあげることが必要となります。
例えば、寝る前の歯磨きなど始めのころは面倒くがっていた行為も慣れてくると自然とするようになりましたよね?
毎日勉強することが当たり前になることで、勉強アレルギーがなくなったという子も多く、嫌だった反動で逆に勉強が楽しくなる子もたくさんいます。
こちらは大人向けの記事ですが、習慣化に関して参考になるかと思います。

勉強に興味を持つようになる方法
人間は集団の生き物であるため、周りの人がどうしているかというのが興味や関心に大きく影響を与えます。
行動科学者のJanettaらによると、その行動をとっている人がたくさんいるのを見ると、その行動は正しいと考える傾向にあるそうです。
これは社会的証明とも呼ばれ、周りに同調しようとする無意識の圧力とも言えます。
社会的証明
「人間は、特定の行動を取っている人が多ければ多いほど、その行動が正しいと判断する生き物である。」
2007年にJournal of Personality and Social Psychologyという論文雑誌で紹介された論文では、この社会的証明にまつわる研究が報告されています。
1) Lun, Janetta, et al. (Why) do I think what you think? Epistemic social tuning and implicit prejudice. Journal of Personality and Social Psychology 93, 957-972 (2007)
例)例えば、「ダイエットに成功した80%の人が実践した〇〇ダイエット法」と聞くと、このダイエット法はなんとなく正しいような気がしませんか?
最近は口コミや評価をみて商品を買うかどうか決めるという方も多くなってきましたが、これも社会的証明の一種です。
食べログなどはその典型で、「たくさんの人が☆をたくさんつけているから美味しいはずだ」と感じますよね。
これは周囲の人の行動にも当てはまります。
「○○くんも塾に行っているから僕も塾に行く!」などはその典型ですね。
そして、子供に一番影響を与えるのは親の姿です。
親が勉強している姿を見せる
「子は親の姿を見て育つ」とよく言いますが、あなたが最後に勉強したのはいつですか?
この質問にすぐ答えられた方で、かつ期間が1ヶ月前以内だった方は、恐らくここまで読んでないと思います。
実際、塾講師の経験として、子供が勉強しないと悩んでおられる方の大多数が、自分が最後に勉強したのがいつか答えられませんでした。
お子さんに「自主的に勉強して欲しい」と思うのであれば、ぜひ勉強している姿をお子さんにみせてあげてください!
本を読んでいる姿を見せるとかでもいいのですが、出来れば、お子さんの勉強と同じようにノートを使って勉強している姿を見せてあげるというのが最も効果的です。
家族みんなが勉強するのが当たり前で育った子は、学習意欲がとても高く、言われずとも自分でどんどん勉強していくため、必然的に社会に出てからも活躍する方が多いです。
「どうしても仕事や家事で忙しくて、座って勉強する時間が取れない!」という方は、まず勉強している姿勢を見せることから始めてみて下さい。
オーディオブックなどを使って忙しくても読書して勉強しているところを見せてあげると、お子さんが小さい場合、「ママも忙しい中勉強頑張っている」→「もしかして勉強って楽しいのかな」→「ぼくも一緒に勉強しようかな」という気になります。
子供に聞いて欲しい本を流すことで自然に親子で一緒に勉強できるのもオーディオブックのメリットの一つです。



勉強しない理由を解消することで自分から勉強するようになります
お子さんが勉強しない2つの理由「勉強が楽しくない」「勉強する習慣がない」を挙げましたが、いきなり両方解消するのは難しいので、まずは新しいことを知る・学ぶことに対する楽しさを感じてもらうのが第一歩です。
楽しくなってきて周りにも認められる、勉強できるようになるといろんな人が褒めてくれるというのは、子供にとって非常に強力な原動力になります。
お手本を見せることで、お子さんが進んで勉強するような環境を作り、大人になっても習慣的に勉強してくれるような成長をサポートしていきましょう。
参考文献
1) https://psycnet.apa.org/record/2007-17941-004