会社に入ったら必ずといっていいほど作らなければならない資料作成。
会議資料、プレゼン資料、報告資料など、ビジネスパーソンが求められる資料は多岐に渡ります。
せっかく長い時間をかけて作ったのに、「内容が伝わりにくい」「わかりづらい」などと言われ何度も修正したことはありませんか?
悲しいことにピントがずれた資料は、どんなに手と時間をかけて作成しても誰からも評価されません。
資料で1番大切なのは「相手にわかりやすく伝えること」ですが、このわかりやすい内容が相手の立場や役職、はたまた人によって違うから大変です。
資料作りが上手い人をみると、「ああ、あの人はセンスがあっていいなぁ」と思っていませんか?
たしかに資料のデザインなどはある程度のセンスが必要ですが、わかりやすい資料を作るということだけであれば、方法さえ知っていればセンスがなくても作れます。
そこで今回は、この相手が誰であっても伝わりやすい社内資料を作るための方法を紹介していきます。
もう失敗しない!伝わる社内資料の作り方

社内資料を作り始める前にリストアップするべきこと
誰に対して報告する資料なのか
資料を作り始める前に確認して欲しいのが、その社内資料は誰のために作るのかということです。
視座という言葉があるように、役職によって見ている視点というものが違います。
例えば、何か提案資料を作ったとき役職別に重視する項目を挙げてみると
課長クラス:「現場で回せるか」という観点
部長クラス:「きちんと利益は出るのか」という財務も含めた観点
役員クラス:「会社の理念」に合致しているかという意義を含めた観点
相手が何を重視して判断しようとしているのかを知らなければ、なぜその資料が必要なのかすらわかりません。
これがわからないまま資料を作り始めてしまうと、自分が言いたいことだけを並べた一人よがりで評価されない資料になってしまいます。
何のために報告して何を判断して欲しいのか
誰に向けた報告なのかを明確にしたら、次に「その報告を聞いて相手はどうしたいのか」を考えてみて下さい。
多くの場合、報告の目的は何かの判断をしてもらうことにあります。
企画を進めるかどうかの可否判断や、次の方向性を決める会議の資料を作ることもあると思います。
相手がその報告を聞いてどんな判断をしたいのかがわかれば、どんな情報が必要で何の情報があれば判断ができるかを想像してみて下さい。
なぜその社内資料を作る必要があるのか
そもそも論のところですが、一度立ち止まってその社内資料を作る必要があるか確認することも重要です。
パワポやWordにまとめなくても、生データだけで十分な場合もあります。
どれだけ効率的にやろうとも資料作成にはある程度時間がかかってしまうので、必要ないと判断したら思い切って省くことも大切です。
わかりにくい資料に共通する問題点

社内資料の流れを大きく4つに分けると、
1. 報告のテーマ
2. なぜそれが必要なのかの背景・目的
3. 本題
4. まとめ
だと思います。
デザインやフォントなどを除外して本質的な話をすると、わかりにくいとされる資料で共通しているのは「背景・目的」と「本題」に入る流れに一貫性が無いということです。
本来、背景や目的は本題に入るための架け橋となる資料です。
しかし、大枠だけ説明していきなり本題では細かい部分の説明から入ったり、ひどい場合は背景や目的と本題との間に筋が通っていないことすらあります。
そして、この一貫性の判断で難しいのは資料を作っている本人は筋が通っていないことに気づいていないということです。
というのも、作成者の頭の中では前提知識や本題について詳しく理解されているので、途中を省いたところで自分の頭の中で補完してしまうのです。
しかし、他の人はそうではないため資料を見せた結果、わかりにくいと思われてしまうのです。
作成した資料をわかりやすくする見返しのコツ
この資料の一貫性を一人で完璧に作るというのは中々難しいですが、私がおすすめしているのは「作った資料を1日置いて見返してみる」ということです。
資料を作っている最中は自分がわかっていることと相手がわかっていることの境目がぼやけがちです。
一日置いて一度頭をその資料の内容から離すことで、もし資料に一貫性が無い場合ミスに気が付きやすくなります。
わかりやすい資料にするためのテンプレート
わかりやすい社内資料の流れをざっくり書くと、
どんな課題があるのか⇒なぜその課題が生じるのか⇒だからどうするべきか⇒結果どうなるのかです。
しかし、これが結構難しく資料を作っているとどこかで脇道に逸れてしまうことがよくあります。
そこで、私が資料作成する際によく参考にさせていただいてるのがこのフォーマットです。
結論 | 根拠(データ) | 図表・写真 | |
なにが問題なのか(課題) | |||
なぜそれが起きたのか(原因) | |||
だからどうするか(解決策) | |||
するとどうなるか(効果) |
参考:社内プレゼンの資料作成術
全てを埋める必要はありませんが、表に記入していくことで因果関係がはっきりしてきます。
また、根拠の部分を埋めていく過程で足りない部分を把握することもできますし、話の筋が通ってない場合は早い段階で起動修正することもできます。
わかりやすい資料を作るための注意点
勝手に推測しない
コンサル会社ではNo guessと言われていますが、確認できていないことは勝手に推測して資料にしてはいけません。
勝手にここはいらないだろう、時間足りないしここだけ伝えとけばいいやなど自分の都合で推測して資料を作ると結局後で質問されたときに辛いことになります。
それを防ぐためにも、上記のテンプレートを作成した段階で上司に構成内容と資料の方向性について確認すると間違った方向に進むことが防げます。
最後に
いかがでしたでしょうか。
いろいろと書きましたが結局大切なのは、いきなり資料を作り始めないということです。
一見手間に思うかもしれませんが、事前準備をしてから資料を作り始めた方が修正の必要性も減り結果的に無駄な時間を使わなくて済みますよ。
報告が上手かそうでないかは時間が経てば経つほどビジネスパーソンとして大きな差になります。
抜けモレのないわかりやすい資料を作成して、周りからの評価を獲得していきましょう。